故人さまを、セレモニーを行わずに火葬のみで送り出す「直葬(ちょくそう)」。「火葬式（かそうしき）」と呼ばれることもあります。時代の流れから少人数でのお別れを希望される方が増えてきた昨今、直葬を選ばれるご家族もだんだんと増えてきています。故人さまがお亡くなりになった後、どんな流れでお別れをするのでしょうか。事前に内容を把握しておくことで、後のトラブルも防ぐことができます。
こちらのページでは、直葬についてご紹介します。

直葬とは？

一般的なお葬式は、お通夜→葬儀告別式→火葬という流れで進んでいきます。宗旨宗派に則った宗教儀礼と、生前ご縁のあった方々とのお別れの時間を設けた上で、故人さまを火葬します。直葬は、亡くなった後、法律で定められたとおり24時間ご遺体を安置したのち出棺、火葬場へ移動して火葬を行います。参列するのはほぼご遺族のみ。出棺前、もしくは火葬炉の前で簡易的なお別れを行うことは可能ですが、通常、宗教儀礼や告別の時間などを設けることはありません。

直葬のメリット

①費用を抑えられる
一般的なお葬式で行う通夜や告別式などのセレモニーを行わないため、会場費や返礼品、食事などのおもてなし費用や、宗教者さまにお支払いするお布施などの費用がかかりません。故人さまを荼毘に付すための最低限の費用で送り出すことができます。
②事前の打ち合わせなどの準備が少ない
直葬は、ご遺体の搬送が終わった後、葬儀社とその場で打ち合わせを行うことが一般的です。一般的な葬儀を希望される方よりも、時間は短く済むことが多いでしょう。

一方デメリットも…

①親族の理解を得る必要がある
直葬は、多くの方がイメージされる一般的なご葬儀を行いません。後々トラブルにならないように、事前に親族に対して直葬を行う旨を伝えておくことが必要です。
②知人や友人など関係の近しい方への配慮も重要
基本的にお別れはごく少人数で行うため、ご葬儀に参列できなかったことを悔やまれる方がいらっしゃるかもしれません。
③菩提寺へ納骨できない可能性がある
お付き合いのある菩提寺がある場合は、通常、その寺に宗教儀礼を執り行っていただき、火葬後は菩提寺へ納骨することになります。宗教儀礼を省いた直葬を行ったことにより関係を損なう可能性があり、場合によっては菩提寺への納骨を断られるケースもあります。

ポイントを抑えて後悔のない選択を

直葬は、経済的にも身体的にも負担が少なく済むお別れの形です。喪主さまがご高齢で葬儀の対応が難しい、感染症対策のため参列者を少なくしたいなど、さまざまな理由から直葬を選ぶ方がいらっしゃいます。
ただし何よりも大切なのは、お別れに後悔を残さないこと。「直葬」でもさまざまなオプションを選択できるよう用意をしている葬儀社がほとんどですから、ご家族の希望に沿ったお別れができるよう、相談してみることがおすすめです。